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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,50年間無免許運転を続けていた男が逮捕されたというものがあったので取り上げてみました。

 逮捕されたのは68歳の男性で,警察の調べに対して50年間無免許運転を続けていたと認めているそうです。
 逮捕のきっかけは,9月に警察に「知り合いが無免許運転を繰り返していい手,注意しても止めない」という匿名の電話があったことということです。
 そして,男が,自宅から畑仕事に運転しているところを警察が車を止めて話を聞いたところ,無免許運転を認めたということでした。
 調べに対して,男は,50年前に教習所に通ったものの,試験に受からなかったため,無免許のまま運転していたと話しているそうです。

 以前問題になった飲酒運転での死亡事故以降,いわゆる交通三悪といわれる飲酒,無免許,速度超過に関しては量刑が上がったように思います。
 他の刑法犯についても,特に裁判員制度対象事件のものについては量刑が上がったと思いますが,この交通三悪が入る交通事故については前科がなくても実刑という案件をそれなりに目にします。
 それは,これらが悪質で危険性の高い運転であるからです。

 今回無免許運転が発覚したのが50年経ってからということですが,それまで発覚しなかったのは男が事故を起こさなかったからでしょう。
 事故を起こせば,その段階で免許証の問題になりますし,その意味では安全運転であったのかも知れません。

 一方,男は免許試験に受からなかったという経歴があることから,交通ルールについて真に理解しているか極めて疑わしいものがあります。
 ですから,感覚で分かっていても,それが具体的にどういうものなのかという点について理解していたのかは疑問です。

 仮に無事故運転ができていたとしても,免許がない人に運転することを許してはいけないことはいうまでもありません。
 それは,法律だからということもありますが,さらに理由を挙げるとすれば一つの例外を許せば安全運転ができそうだという自信がある人であればみな許されるという結論になりがちで,免許制度が崩壊しかねないからです。

 ですから,今回の事件は,無事故のうちに無免許運転を検挙できてよかったととるべきだと思いますし,事故を起こしていないベテランドライバーが可哀想にと考えるのは間違いだと思います。

 ちなみに,本件で一点気になるのが,警察の事件の発表です。
 警察の発表によれば,本件発覚の経緯について「知り合いが無免許運転を繰り返していて,注意してもやめないという匿名の電話があった」と述べておりますが,これでは犯人にとって誰が情報提供をしたのかがほぼ分かってしまうと思います。

 私が想像するに,ある意味犯人の男はこれまで事故も起こさずに平穏無事に暮らしてきたわけで,おそらく今後も同じように無免許運転をして生活をしていこうと考えていたと思います。
 また,男の周囲の人間も,いけないこととわかっていつつも大ごとにならねばよいのではと,それを許容してきたのではないかと思います。
 場合によっては,犯人の男が逮捕されていなくなってしまうと,諸々の仕事や作業に支障が出ることもありえ,その場合周囲の人間達は困ってしまう可能性もあります。
 そういう中で,密告をした人はある意味犯人の男や周囲の人間達を敵に回しかねない,場合によって恨みを買いかねないという状況なわけで,にもかかわらず勇気を持って連絡をしたのでしょう。
 しかも,「匿名」での電話ですから,おそらく自分が特定されることを恐れたのかも知れません。
 しかし,今回の警察の発表では,おそらく本人ないし周囲の人間にとっては,密告者を絞り込むことができてしまうと思います。

 このような警察の発表を許してしまうことは,市民からの犯罪の通報を妨げかねないこととなります。
 ただでさえ,この事件は,警察は50年間も見落とし続けてきたのですから,このような通報は大切だったわけで,にもかかわらずこのような通報ができにくい世の中にしてしまうような警察発表はいかがなものかと思わずにはいられません。
 今後の警察発表においては,このような点については重々気をつけてもらいたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。

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三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 23:17
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