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 こんばんは。

 先日ファーストサーバというレンタルサーバーサービスの会社において,あるサービスでのサーバー内のデータが全て消失してしまうという事件が起きました。
 そして,消失したデータについては復旧不可能という結論に達したようです。
 この会社は,主に企業や官公庁を顧客として,いわゆるクラウドコンピューティングサービスを提供しており,こちらに会社や官公庁のほぼ全データを預けているところもあるのではないかと思います。
 もしこれらのデータが消失してしまったとすれば,会計勘定の問題はもちろんのこと,顧客情報等の企業運営や官公庁の業務に必要不可欠な情報が消失し,多大な支障を来す可能性すらあると思います。

 さらに,この問題は,損害に伴う法的責任においても大きなものがあります。
 すなわち,ファーストサーバの約款では,クラウドコンピューティングサービスを受けているデータについて自らバックアップをとっておく責任を課し,バックアップをとらなかったことによって生じた損害については免責されるという条項を規定しております。
 また,賠償責任については,月額使用料を限度額として負担するとしております。

 これらの条項の有効性についてですが,個人消費者に対しては消費者契約法によって無効となるでしょうが,企業の場合には消費者契約法が適用されないので,別の根拠を求める必要があります。
 例えば,ここまで広い範囲で免責としてしまうのは公序良俗に違反するのではないかという観点から無効を主張する方法もあると思いますが,実現はなかなか難しいかもしれません。
 かつて,レンタルサーバーに関して,免責条項の適用を認めなかった事件がありましたが,免責条項の解釈が今回のものと一致するか微妙なので,この裁判例を参考にしてよいとは一概に言いがたいと思います。

 もし免責条項が適用されるとしたら,利用者らはファーストサーバからほぼ何らの手当も受ける権利はないということになりますが,そうなったとすればこの会社の犯したミスによって利用者の信頼を損ね,かつその手当もしないということで,もはや利用者がいなくなってしまうことでしょう。
 かといって,ファーストサーバが正面から責任を認めてしまえば,賠償額がいくらか見込めない以上,会社存亡の危機に瀕することになってしまいます。
 そうすると,ファーストサーバの立場からすれば,法的責任はないという立場を堅持しつつ,約款の金額にとらわれずに一定程度の解決金の支払いという方向で解決を図るべきなのではないかと思います。
 ただし,これによって倒産危機を迎える会社も少なからず存在すると思われますので,ファーストサーバがそのような措置をとったところで一定程度の訴訟は不可避なのではないかと考えております。

 今回のファーストサーバ騒動で被害を被った会社の中には,ホームページ上ではある程度復旧を果たしたところも散見されております。そういったところは多分きちんとバックアップをとっていたことでしょう。
 私の事務所でも一応データバックアップの体制をとっているので,万一パソコンが故障しても仕事にはあまり差し支えないと思ってはおりますが,そういった保険というのは案外大事だなと再認識させられます。
 今回の件でもっとも責任が重いのはファーストサーバとは思いますが,かといって「誰が悪い」と言っていても状況が改善するわけではないので,やはりある程度何が起きても対応できるように準備だけはしておくべきでしょう。
 近年はクラウドが流行で,自宅のHDD等よりも信頼を置きがちになりますが,一つのものに過剰の信頼を置くのは危険だというのはアナログ時代から変わらないものだなと思いました。

 今日は,マートンさんが昨日に引き続いて活躍しまして,ぼちぼち阪神打線が上向きになるのではないかと期待しております。
 欲を言えば,流れが来ている状況のみで点がとれるというのは少々心許ないので,マートンさんのホームランのように自分で流れを作れるようになってほしいと思います。とはいえ,そんな贅沢を言っていられないので,とりあえずまずは打つようになってほしいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 20:43
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