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 こんばんは。


 今日のニュースを見ていたら,バーベキュー施設からの焼肉のにおいで平穏な生活が害されたとして市を訴えた裁判の上告審に関するものがあったので,取り上げてみました。

 この事件は,市が住宅街の一角にある公園内にバーベキュー施設を設置したところ,近隣住民の男性が焼肉のにおいがくさいとして市を訴えたというものです。
 一審判決は,においは周辺の一定範囲に達しているとし,洗濯物ににおいがつくので外には干さないという意見があったと認定されたものの,生活に死傷はないという回答が多く,公園内に常緑樹のニオイヒバ18本を植えてにおいを軽減する対策をとっていたとして,耐えられる範囲内であると認定して男性は敗訴しました。
 二審でも一審判決が支持され,その最高裁判決が待たれていたのですが,この最高裁でも男性の訴えが退けられ,判決が確定しました。

 このような問題の相談はしばしば受けますが,非常に難しい問題です。
 例えば,近隣の騒音や日照,においなどの問題ですが,このような問題には裁判所は受忍限度論という考え方をもって違法性を検討します。
 受忍限度論というのは,社会共同生活を営む上で,一般通常人ならば当然受任すべき限度を超えた心外を被ったとき,侵害行為が違法性を帯びて不法行為責任を負うというものです。

 この受忍限度というのは非常に曖昧な考え方で,訴える人にとっては耐え難いと思うからこそ裁判にまで打って出るわけですが,ほかの人にとってはこの程度ならばというものも少なくありません。
 これを一般通常人を前提として考えるという抽象的な基準で判断するわけですが,手がかりの一つとしては日照やにおいを規制する法律に違反するかどうかという点です。
 例えば,においであれば,悪臭防止法という法律があり,そこには商業地や住宅地などの地域ごとに分類された上で,臭気の排出口の大きさや高さに対応させて臭気指数という数値基準を定めており,それを超えたかどうかというのが一つの目安となります。
 ただし,これは一つの目安に過ぎず,この法律に違反していても,違反がわずかで,かつそれなりのにおい防止措置を講じていたという場合には受忍限度を超えないとされた例もあります。

 こうして考えると,受忍限度を超えるかどうかは,関連する法律に違反するか,その程度はどうか,においや煙,日照等を防止する措置をどれだけ講じる努力をしてきたか,誠実に対応されてきたのか等が問題になると思われます。
 そして,過去の争われた事例を見ながら,受忍限度を超えるかどうかを検討するしかないということになるでしょう。
 こうなると,実際に受忍限度を超えるかどうかは裁判以前に明らかであるとは言い難く,解決の難しい類型の事件であるといわざるを得ないと思います。

 本件では,バーベキュー施設から流れてくるにおいについて施設から約120メートル離れた家で感じたということですから,相当程度においがあったと思うのですが,臭気指数がどの程度だったのか等の詳細情報が分からないため,判決が妥当だったかどうかなど何とも言えません。
 ただ,これが違法かどうかは別として,突如できた施設によって自身の平穏が害されたと考えたとすれば,その感情自体は非常に理解できます。
 実情が分からないために感情として理解できるとしかいいようがないのですが,バーベキュー施設となればにおいのほかに音等の問題もあるでしょうし,今後も検証し続けていくしかないのでしょうか。


 阪神の金本監督ですが,人的補償で獲得する尾仲さんについて,中継ぎではなく先発投手として育成したいと語っているという記事を見ました。

 昨日私は,尾仲さんについて,短期的に見れば中継ぎとして既に即戦力になれるだろうが,長期的視点から先発として育成した方がよいのではないかと触れましたが,まさに金本監督も同意見のようです。
 ただし,現時点では,中継ぎとして回跨ぎが苦手なようなので,その点を調整してからとなるでしょう。
 また,直球はいいものがあるようですが,落ちるスライダーは精度は今ひとつということで,スライダーの精度向上,さらに緩急を付けるためもう一つ変化球がほしいところです。
 現時点で,スライダーのほか,カットボール,チェンジアップ,フォークを投げるようですが,正直言ってまだ戦力というには足りないように思われます。
 緩急を付けるのであれば,阪神お得意のカーブを伝授し,スライダーと組み合わせて三振を取りに行くことができればなかなかいいようになるのではという期待もあります。
 また,線が細いように思えるので,これから半年くらい体作りに当てさせ,速球を磨くように仕向ければ,かなり面白い投手になるのではというようにも思えます。

 そう考えると,いくつかの課題はあるものの,いずれも克服できればそれなりに計算が立つように思われ,やはり素材としては非常に面白い選手を獲得できたと改めて思います。
 大和さんを失って問題の守備力がさらに低下し,尾仲さんを獲得して厚かった中継ぎがさらに強化されるというアンバランスさはあるものの,これはこれで面白くなるのではという期待が大きくあります。


 また思いついたら書きます。ではでは。


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三枝康裕 | ニュース | comments(1)  | trackbacks(0) | 23:07
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