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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,八幡市教育委員会が2008年度に中学生の学習のために前4中学校で導入したニンテンドーDSが使われずに眠ったままになっているというものがあったので取り上げてみました。

 市教育委員会は,ゲーム感覚で授業に取り組めるとして導入したものの,おもちゃとして扱う生徒があとを絶たず,導入後3年以内に全校が使わなくなってしまったということでした。
 教育委員会では,当時,学習指導要領に縛られない研究開発学校として文部科学省の指定を受けて交付金を利用して2008年度に約600万円で購入したということでした。
 しかし,機械が上手く文字を認識できなかったり,アルファベットを一文字ずつ入力するという都合上英単語を一つの塊として理解できないのではないかという声が上がりました。
 また,本体の充電や保管の手間も問題に上がりました。
 さらに,一部の学校では通信機能を利用して生徒同士でチャットを始めたり,持参したソフトで遊ぶためになかなか学習に映ることができなかったということでした。
 そのためか,現場の教師からは「学習向上に繋がるかは疑問だった。現場の教師達の反対もあり,きっちりと使ったのは1年だけだった」ということでした。

 私に言わせると,DSを子どもに学校で使わせればおもちゃにされるのは当然であると思います。
 確かにDSなどのゲームソフトには学習のためになるものもあり,それらが学習に有用である可能性も十分あるとは思います。
 しかし,それは敢えてお金をかけてDSを導入しないと得られない効果なのかという気もします。
 もちろん,こういった器具を使えば,それなりにゲーム感覚で使うこともできるでしょうが,それを乳幼児ではなく中学生にまでわざわざ学校が導入してあげるというのは何か違う気がします。
 しかも,格好のおもちゃが手に入ったとなれば,それをいかに叱られないように工夫して遊びに変えるかというのが子どもの考えでしょうから,このような結論になるのは自明の理というほかありません。

 もちろん,おもちゃ化させないようにするのは現場の教師の努力にも原因があるかもしれません。
 しかし,教師のただでさえ多忙なところにDSで遊ばれないように監視することまで含めるのは酷な気もします。

 いずれにせよ,私としては分かりきったことが発生して倉庫に眠らせたというこの結果をもたらした市教育委員会の判断は非常に責任が重いと思います。
 せっかく文部科学省から研究開発学校の指定を受けたということで,何かしないといけないと考えてのこの状況なのでしょうが,結局税金600万円が無意味に使われた,任天堂が儲かったというだけになってしまったということでしょう。
 しかも,倉庫に保管しているということですから,その保管コストもある程度はかかっているでしょうし,このままだと何の役にも立たないのに苦労だけかけることになってしまうでしょう。
 市教育委員会は,果たして,具体的な教育現場での使い方を考えての導入をしたのか,どのようにDSを管理しようということを考えていたのか,そしてその使い方に関して問題が生じた場合にどのように処理するのかを考えていたのか,甚だ疑問です。
 教育委員会の失敗については,試行錯誤の要素がある以上全責任をというのは酷だとは思いますが,それでもこれだけ無意味に保管されているという状況が発生している以上は税金の無駄遣いに関して何らかの責任をとってもらわねばならないと思います。
 少なくとも,在庫のDSを売却して,その損害を最小限にするくらいの工夫はしてもよいのではないかと思います。

 ちなみに,佐賀の高校ではマイクロソフトのタブレットを導入しようという話が上がっていましたが,私はきちんと計画を練らないとこのDS騒動と同じ結果に陥るだけだと思います。
 しかも,このタブレットの代金は生徒の負担ですから,自身の負担をさせられた挙げ句無駄になってしまうとなればそれこそ大問題でしょう。
 このように失敗事例が一つある以上,佐賀の方では相当厳密な計画に基づいて進めてもらいたいと思います。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 20:53
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