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 こんばんは。

 今日のニュースを見ていたら,茨城県取手市で,小5男児の乗った自転車が小6女児に衝突し,女児が意識不明の重体になってしまったという痛ましいものがあったので取り上げてみました。

 これは,23日午後6時ころ,団地内で発生した事故ということですが,女児は自転車と接触した弾みで転倒してコンクリートの地面に頭を打ち付け,意識不明の重体となってしまったということでした。
 男児は自転車で家に帰る途中で,女児は団地の広場で友達と遊んでいたところだったということでした。

 まずは,この女児の早期の回復と,後遺障害が残らないようになることを祈念するばかりです。

 最近自転車,特に子どもの運転する自転車の事故がよく取り上げられるように思います。
 昔と今とで数が変わったとは思いませんので,おそらく社会的に自転車の交通事故というものがとりよく取り上げられるようになったことが原因なのではと思います。
 先日も,ある裁判例で,男児の運転する自転車が女性に衝突して多額の賠償金が認められたというものがありましたし,近年は自転車の賠償責任というものが多く取り上げられるという時代になったということなのでしょう。

 私個人の小学生の思い出といえば,やはり今振り返っても自転車の無謀運転はあったように思います。
 私が自動車の運転免許を取る際,初めて一時停止線などをしっかり意識するようになったもので,それまでは何となく交通ルールなるものを理解していたものの,それはあくまで自分が事故に遭わないであろうというくらいの感覚だったと思います。ですから,他人からどのように見えるのか,事故を他人の側から避けてもらえるように自分が行動しているのかという視点が抜けていたような気がします。
 おそらく私だけでなく小学校や中学校時代の自転車の無謀運転の経験は誰にでもあるのだと思いますし,にもかかわらずこうして事故が起こらずに今まで来たのは運がよかったからということなのかも知れません。

 しかし,今回のように大きな傷害を負ってしまうとなれば,もはや運の善し悪しで語ることはできないし,許されないことだと思います。
 この事故によって,男児の親は女児に対して多額の賠償責任を負うことになると思われます。
 具体的には,治療費,慰謝料,親族の入院付添費,入院関連の雑費,万一後遺障害が残ってしまうのであればそれに伴う逸失利益,慰謝料等々100万円では到底足りないくらいの賠償義務を負う可能性が十分にあると思います。
 また,頭部の怪我ということですから,脳への影響ばかりでなく,傷が外見にどれだけ残ってしまうのか,特に女の子だけに非常に気の毒な結果になってしまわないかという点も心配されます(この点に関する逸失利益や慰謝料増額もあり得ます。)。
 そのようなことを考えてみると,男児の親の負う責任は極めて重いものが考えられます。

 自動車と違い,自転車の場合は自賠責保険がなく,賠償保険に加入しているケースも多くはありません。
 例えば,加害者本人やその家族の加入している何かの保険の適用を受けられればまだいいかもしれませんが,もしもそのような保険もなければ一生かかって支払っていかねばならない性質のものとなりかねません。
 また,加害者側が支払能力がないとなると,被害者側はどのようにして受けた損害を補填すればよいのかという問題にもなるでしょう。
 被害者側でも,家族などが加入している保険,場合によっては家族の方が加入している自動車保険などが適用できる場合もありますが,そのようなものがなければどうしてよいのかというようになってしまうように思われます。
 自転車の賠償保険はまだ普及しているとは言い難いですし,これを普及させるには色々と問題点はあるように思います。とはいえ,ここまで自転車の賠償責任を重く捉える社会情勢がある割には,被害者保護については社会制度が揃っていないように思われ,アンバランス感は否めません。

 いずれにせよ,女児の早期回復を願っておりますし,適切な賠償が実行されることも希望致します。

 また思いついたら書きます。ではでは。
三枝康裕 | ニュース | comments(0)  | trackbacks(0) | 22:47
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